CSFBとリーマンブラザーズ証券、クレスベール証券の私募債は詐欺紛い

2020/05/09
CSFBと国際証券グループの飛ばし取引の検査を通じて金融監督庁は新たに他の外資の飛ばし取引きへの関与を裏付ける資料も入手した。米リーマンブラザーズ証券とクレスベール証券がそれで、両証券ともCSFBと同じく国際証券グループを仲介とし、不明朗なデリバティブ取引や投資商品を売っていた。監督庁はすかさず5月下旬にリーマンとクレスベールの日本拠点の抜き打ち検査を相次ぎスタートした。

なんといっても注目の的はクレスベールだ。欧米の大金融資本であるCSFBやリーマンのような知名度こそないが、監督庁幹部にいわせると「顧客の粉飾決算の幇助はおろか、日本の金融に無知な素人企業を編し、詐欺紛いの行為さえ平気でやっていた。最も許せない外資がクレスペールだ」という。

女性販売員が手押し車を引いてはオフィスを訪れ、乳酸菌飲料を1本1本売り歩いて稼ぐ地道な収益の積み重ねを基礎に将来性のある医薬品やバイオテクノロジーの分野にも積極的に進出。その一方でプロ野球球団を持つ遊び心もある優良企業。1998年3月期決算でデリバティブを使った約1億円の巨額の投資有価証券の含み損失が発覚するまでは、こんな企業イメージがヤクルトの売りだった。しかし、デリバティブ損が発覚後は、ここ数年1,500円~1,300円程度で推移していた同社の株価は一時、500円程度まで下落し、これまでのさわやかな企業イメージも大きく傷ついた。

ヤクルトをそんな痛い目に合わせた中核的な存在がCSFBとクレスペール証券だった。CSFBとの取引きは、国際証券の部長が大蔵省からヤクルトに三顧の礼で迎えられた熊谷直樹副社長(当時)をCSFBの担当者に紹介して始まった。過去の含み損を帳消しにしようと金利や為替、株価指数を使ったデリバティブ取引を積極的に張ったが、結果は無残にも頓死するだけだった。

ヤクルト社内には誰も複雑な国際的なデリバティブ取引を分かる者はおらず、社長以下他の役員は「大蔵のエリート官僚のやることだから心配はないだろう」(関係筋)と雪だるま式に膨れ上がる含み損にも安穏としていたというから、校滑な外資にとってこんないいカモはいなかったかもしれない。