贅沢していないのにお金が貯まらない原因

2020/08/31
世の中には、贅沢なんて何もしていないのに、お金が貯まらないという人が結構いますが、そこには、はっきりとした原因があるものです。たとえば、Aさん夫妻というのは、共働きをしていて、年収なら1,000万円もありますから、決して年収が少ないというわけではありません。それなのに、いつだって「私たちには、ちっともお金が貯まらない」と、愚痴を言ってばかりいます。

Aさん夫妻は、自分たちが浪費家であるなんて、まったく考えたこともありません。というのも、Aさん夫妻は「我が家では、外車なんて運転していないし、ブランド品なんて手にしたこともありゃしない。子どもにしたって、新発売のナイキのシューズを履かせたことなんて、1度もありゃしない。それなのに、ちっともお金が貯まらない。本当に、不思議よねぇ」と考えているからです。

Aさん夫妻は、自分たちのお金がどこへ消えてしまったのか、まったく分かっていません。そこで「支出の追跡」をしてみたら、Aさん夫妻の1日は、次のような感じだったのです。Aさん夫妻は、別々に職場へ通っていますが、毎朝、最寄の駅へ到着すると、2人とも新聞(130円)とペットボトルの水(120円)を買って出社します。

お昼休みになると、ドーナツ(150円)とコーヒー(300円)をランチのお供にしています。3時の休憩時間には、ペットボトルの紅茶(120円)とヨーグルト(150円)でリラックス。ここまでは2人とも同じようにお金を使います。帰宅途中には、ご主人は夕刊(130円)を、奥さんは週刊誌(280円)を買って、電車で読みながら家路に着きます。

Aさん夫妻の1日は、一見したところ、何の変哲もない、普通のビジネスマン・ウーマンの1日のように見えます。しかし、何だかんだで、1日あたり2人併せて2,350円の浪費をしているのです。「だから、どうだって言うの?」とお考えでしょうか?しかし、ひと月あたり20日間働いている場合には、この2,350円というのは、30年間では、何と1,692万円もの浪費をしている計算になるのです。

500万円の高級車を買ったわけでもない。150万円で海外旅行へ行ったわけでもない。100万円のブランド品のバッグを買ったわけでもない。ただ、毎日飲みものやドーナツに使っていたら、定年退職までに、1日2,350円か1,692万円に化けている。これじゃ、お金が貯まりません。

浪費癖を直すには支出をチェック

Aさん夫妻のように、飲みものやお菓子に、1日2,350円使っているだけで、30年後には、1,692万円も使っているなんて驚きですね。「知らぬが仏」とは、こういうことを言うのです。それでは、こうした浪費癖を改善するには、どのような方法があるのでしょうか?実は、浪費癖を改善する方法はとても簡単で、単に支出をチェックするだけで直ります。

用意するものは、紙と鉛筆です。やることは、お金を使ったら、記録するだけです。毎日、記録するのが面倒ならば、レシートをビニール袋に入れておいて、週に1回、または月に1回などの割合で取り出して、まとめて記録します。ポイントとなるのは、大雑把に10個くらいの項目を作ることと、集計するときに「金額の合計」だけでなく「全体に占める割合」も書いておくことです。

こうして出来上がったものを「支出表」と呼びます。Aさん夫妻だったら、飲み物に1日1,080円、20日間では2万1,600円使っていたわけですが、30年間では、777万6,000円にもなると知ったら、驚いて、飲み物を控えるようになりました。ショックを受ければ、浪費癖は直るのです。

さて、みなさんの支出表の結果は、いかがでした?150円のペットボトルを1本飲むなんて、毎日、当たり前のようにやっているはずですが、就職してから定年退職までの38年間で、208万円になります。これを聞いたら、誰だって「少しだけ、会社の冷水機で我慢するか!」「家から水筒でも持っていくか」という気になるはずです。

浪費癖というのは、自分では気がつかない間に、習慣に従ってお金を使っているケースがほとんどです。だから、浪費癖を直すには、ただ、支出をチェックすればいいだけなのです。こんな計算なら、小学生だってできますね。

すべては1円を大切にすることからはじまる

1日150円のペットボトルを買う場合、35歳から45歳までの「お小遣い」とされる4万円から4,500円か流出する計算です。つまり「お小遣い」の11.3%がペットボトルに消えていきます。そして、そもそも4万円の「お小遣い」とは、果てしない旅路の果てに手元にやってくるものです。

ボーナスを月割りすれば、2人以上の勤労世帯の平均収入は53万4,235円となりますが、まず「税金」と「社会保険料」で17.1%を源泉徴収され、次に、銀行振り込みされた82.9%から「住宅ローン」「自動車ローン」「保険料」が引き落とされ、電気、ガス、電話、水道などの「公共料金」を支払い、さらに「食費」「医療費」「交通費」「家賃」「習い事」「洋服代」などを払うと、すでに全体の90%以上がなくなっています。

35歳から45歳までの「お小遣い」とされる4万円は、こうした果てしない道程の果てにやってきて、以下のどこかで利用されることになるわけです。こう考えると、1円というものが非常に愛おしく感じられるでしょうし、1円を大切に利用しようと思うはずです。こうした繊細な神経を持つことが、100円や1,000円をも有効利用することにつながるわけです。1円でも大切にして、有効利用するに限ります。